二度目の永遠~ある夏にコロラドで見つけた牧場主との運命の恋~

永遠がはじまるとき


 もしかしたら目をつむっているべきなのかもしれない。
 でも乃亜は一瞬でもこのひと時を見逃したくなくて、うっすらと目を開けたまま、ゆっくりと深くなっていくキスを続けた。

「もし家に戻りたいなら……今だ」
 キスとキスの間に、かすれた声でダグラスがささやく。

 厩舎の外にはダグラスのピックアップトラックがあったから、雨の中でも移動することはできる。
 だから彼の提案はごく合理的なことだった。
 そして、乃亜のはじめてを尊重してくれた証拠だった。
 でも乃亜はここでいいと思った──ここがいい、と。他のどこでもない、ダグラスが悲しいと思ったときに心を鎮めるために選んだ、この場所で。

「ここがいいの……お願い」
 ダグラスは一度だけ小さくうなずくと、それ以上はなにも言わなかった。

「あ……」
 ダグラスの身体の部分で乃亜が好きなものは沢山あったけれど、どこかひとつを選べと言われたら……その神秘的な灰色の瞳でも、キスの上手な唇でもなくて、彼の大きな手だった。
 大地を守る男の手。

 その手が乃亜の身体の、あらゆる場所をまさぐる。
 肩や背中や腰……そして服の布越しに、胸に触れられた。
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