二度目の永遠~ある夏にコロラドで見つけた牧場主との運命の恋~
【ダグラスの章】
手紙
次の日、朝日と共に目を覚ますと、ダグラスは自分のベッドの中にいた──ひとりで。
一瞬の意識の空白があって、すぐに正気に戻ると、ダグラスは慌てて上半身を起こした。服は……着ていない。ただトランクスだけは履いていた。
ホッと、妙な安堵を感じたものの、すぐに動揺がとってかわった。
──乃亜はどこだ?
シーツの上を探しても彼女はいない。
部屋の中を見回しても影さえ見当たらない。
ダグラスはすぐに一種のパニックに陥った。隣にいるべき彼女の姿が見当たらないということが、まるで魂の一部をもぎ取られたような不安に繋がる。
──そんなことでどうする、ダグラス。もしかしたら乃亜は荷物をまとめて地球の裏に帰ってしまうかもしれないのに。
頭を振って立ち上がったダグラスは、手近にあったジーンズだけ履いて、寝室を出た。
二日酔いは確実にあって、痛いほど喉が渇いているうえに、悪魔がダグラスの頭を金づちで叩いているような頭痛がした。でもそんなものより乃亜が必要だった。
フラフラと階段を下りると、ダグラスの救いはそこにいた。
その場でひざまずいて愛を乞うてしまわないように、ダグラスは深く息を吸って己を律した……つもりだった。
乃亜はいつものように台所に立ってこちらに背を向けていた。
「ノア?」
ダグラスが名前を呼ぶと肩越しに振り返る。またしても下にジーンズだけで上半身裸だったダグラスについて、なにを思ったのか、彼の天使は小さく微笑んだ。