二度目の永遠~ある夏にコロラドで見つけた牧場主との運命の恋~

 最後にここに来たのはいつだっただろう……。

 ソフィア・ワトソンの生家はこの辺りでは名の通った名家で、父親はかつて政治の道を歩んでいたこともある。今日でこそスプリング・ヘイブン牧場もそれなりの規模を誇っているが、ここには遠く敵わなかった。

 ジョージアン様式の巨大な邸宅の玄関前に立ったダグラスは、インターホンを鳴らした。
 しばらくするとエプロン姿の家政婦が出てきた。

「あらまぁ! ダグラスじゃないの!」
 家政婦の名はミアといい、ワトソン家に二十年以上勤めている五十代の女性だった。つまり……ダグラスのことも、ソフィアとジョッシュのことも、すべて見て知っている歩くゴシップ雑誌のような存在だった。

「本当に久しぶりね。ここのところ、なんだか可愛らしい日本人のお嬢さんと仲良くしているという噂は聞いたわ。今日はソフィアに会いにきたのね?」

 これだから田舎(スモール・タウン)は。
 義父のひ孫に年甲斐もなく懸想しているだけでも十分醜態なのに、何年も顔を合わせていなかった他人の家の家政婦までが、その詳細を知っている。
 なにか情報をさらせばすぐにまた噂になるとわかっているので、ダグラスは否定も肯定もせずにうなずいた。

「少しリビングで待っていてちょうだい。呼んでくるわね」
 ダグラスから話を聞き出せないと判断すると、ミアはさっさと家の奥へ消えていった。
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