二度目の永遠~ある夏にコロラドで見つけた牧場主との運命の恋~
ダグラスは静かにワトソン家のリビングを見渡す。
約十三年前、軍隊から帰ってきてダグラスは真っ直ぐここに向かった。ソフィアに詫びるためだ。あのときダグラスは自分の心を失ったのだと思った。
ソフィアは、あなただけ幸せになるなんて許せないと言った。
そんな必要はなかったのに。
ダグラスはあの時点ですでに幸せなど放棄していた。誰かに心を開ける日が来るなどとは想像もしていなかった。
ただ恩を仇で返してしまったウィリアムに報いるため、牧場経営に身を捧げてこの生を終えればいいのだと……。
「ダグラス」
しばらくすると、ソフィアがリビングに現れた。
白いブラウスに薄い灰色のスラックスという格好で、これから仕事に向かうところだったのだろう。確か父親が経営する法律事務所で秘書のようなことをしていたはずだ。
ジョッシュと結ばれていたら、おそらく選ばなかったであろう道。
「ソフィア」
「そろそろ来るんじゃないかと思っていたの。お茶を出すわ。座って」
「いや、いいよ。話はすぐに終わる」
ダグラスはそう断ったが、ソフィアはミラを呼んでお茶の準備を頼んでいた。ソフィアは典型的ないい家庭に育った南部女性で、家に来た客にお茶を出さずに帰すわけにはいかない、というようなマナーの上に生きている。
ジョッシュとはあらゆる意味で正反対で、だからこそ彼らは惹かれ合ったのだろう。当時は学生だったから上手くいったが、大人になったふたりが生活を共にしたらどうなっていたかは……文字通り永遠にわからない。
ミラがお茶を用意している間、ソフィアはリビングのソファに座った。ダグラスは仕方なくコーヒーテーブルを挟んだ向かいのソファに腰を下ろした。