二度目の永遠~ある夏にコロラドで見つけた牧場主との運命の恋~

「ごめんなさい、ダグラス……。あのときは本当にごめんなさい。あなたの責任だったことなんてひとつもなかったのに」
「いいんだ。あのときは仕方なかった」
「ひとつ教えてあげる。ジョッシュはね、もし自分になにかあったら別の男と幸せになれって、中東に派兵される前にわたしに言ったのよ。でもわたしにはできなかった……少なくともあの頃はまだ。わたしにできないのに、あなただけ幸せになるのを見るのは辛かった。若くて愚かだったわ。でも──」

 ソフィアはくるりとダグラスに背を向けてガラス窓の外を見た。

「でもやっとそのときが来たの。あの頃夢見ていた形とは違うけれど、わたしは幸せになるわ。あなたもそうなるときが来たんでしょうね。過去に囚われて未来を逃がしちゃ駄目よ」

 愛とはなんだろう。
 時間(とき)とは。
 間違いだと思っていたものが、いつしか希望の糧になる。絶望だったはずのものが、気がつけば明日を照らす光になる。失ったはずの誰かこそが、自分たちを未来に導いてくれる。

「逃がさないよ。どうか、君も幸せに」

 ダグラスはミラに出された紅茶を一杯だけ飲み干すと、早々にワトソン邸をあとにした。

 外に出るとコロラドの太陽が燦燦と大地に降り注いでいた。長年ダグラスの心を覆っていた雲も消えている。
 ピックアップトラックに乗ると、自分があるべき場所を目指してアクセルを踏んだ。
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