二度目の永遠~ある夏にコロラドで見つけた牧場主との運命の恋~
乃亜は決して長身ではなく、ダグラスの感覚からいえばかなり小柄だった。
ただバレエのお陰か姿勢がよく細身なので、一見あまりそんな感じはしない。現代っ子といえば確かにそうなのだろう。乃亜はダグラスよりさらに十一歳年下になる。
──『守ってやるはずだったのに』
ウィリアムの後悔のつぶやきは、そのままダグラスにも通じた。義理とはいえ親子揃って、同じ血統の女性に似たような恋をしている。
ただ、少なくともウィリアムは、酔って春子の処女を奪うような真似はしなかったはずだ。畜生。
「ひとつ教えてやろうか」
「ん?」
「あまりこういう話は……したくないが……。わたしが春子と……はじめて関係を持った夜……わたしは少々酔っていたよ」
「は?」
あまりに想定外な方向に話が向かって、ダグラスは軽い眩暈を感じた。
「まあ座れ」
ウィリアムは息子に枕元の椅子を勧めた。
おそらく勧められなくてもダグラスは座っていただろう。膝から力が抜けるとはこのことだった。ダグラスは座って、両手で顔を覆った。
「……ノアがなにか言ったのか?」
「いいや。お前は彼女のことを愛しているはずだと伝えたら……確かに告白はしてくれたが、お前は酔っていたので本心かどうかわからない……と、そんなことを言っていたから……察しただけだ」
誰か。
頼むから誰か、ときを巻き戻してあの失態を消してくれ。去勢された猫のように大人しくしているから。頼む。