二度目の永遠~ある夏にコロラドで見つけた牧場主との運命の恋~
「なんだって?」
「さすがに三秒じゃ帰れませんけど……一週間くらい? もちろん春子おばあちゃん本人が承知しないといけないし、あとは渡航費をどうするかで……」
「ノア」
ダグラスの心は一瞬で決まった。「俺も行くよ」
「え、えぇ?」
「渡航費は俺が出す。ハルコの分も、もちろん君の分も」
「そんなっ、いただけません! わたしの案だし、あなたには牧場での仕事があるでしょう? 馬はどうするんですか? 壊れた柵は? 生まれたばかりの仔牛は?」
「四年間俺がいなくてもなんとかなったんだ。一週間くらいでは潰れないよ」
「それは……そうかもしれませんけど……」
乃亜はその可愛い頭で色々と考えているようだった。
コロラドのカウボーイを東京に解き放つ危険性について、乃亜の思考が及ぶ前に話をまとめてしまう必要があった。
──あのシェフの名前はなんだった?
くそ、猟銃は飛行機に持ち込めない。別の方法を考えなければ。
「君は十分働いてくれた。このくらいは払わせてくれ。それから……この牧場には朝のケータリングをしてくれる最高のシェフが要るから……必要経費だよ」
乃亜はまだ考えていた。
「でも……チャンピオンを売ったら許しませんよ」
「別にプライベートジェットを買うわけじゃないんだ。そのくらいの余裕はあるよ」
「わかりました」
広瀬乃亜は覚悟を見せた。この女性の、いざとなると意外にも度胸のいいところが、ダグラスはたまらなく好きだ。
「一緒に行きましょう……。春子おばあちゃんを迎えに」