二度目の永遠~ある夏にコロラドで見つけた牧場主との運命の恋~
「あなたをコロラドへ迎えにきました」 ※乃亜視点(一部春子視点)
ダグラスが見つけて──そして払って──くれたのは、デンバー国際空港から成田までのユナイテッド航空直行便だった。
乃亜にはカナダ経由のフィックスオープン・チケットの帰国便があったにも関わらず、同じ便に乗ると言い張るダグラスの主張により、新しく買うことになったのだ。
そんなわけでふたりは、現在、離陸をはじめたボーイング機に隣り合って座っている。
窓際を乃亜に譲ったダグラスは、隣の乃亜越しに小さな楕円形の窓の外を眺めていた。
「本当に大丈夫だったんですか……?」
乃亜は恐る恐る尋ねた。
あれから。ダグラスは牧場での仕事引き継ぎのために奔走していたので、ゆっくり話す機会はほとんどなかった。留守中、ケータリングは元々のお婆さんがしばらく続けてくれることになり、ネイトは乗馬レッスン以外も引き受けることになり、様々な仕事が他の従業員に振り分けられ、書類仕事の類だけダグラスが遠隔で続けることになった。
「駄目でも今さら戻れないだろう」
ダグラスは薄く微笑みながら答えた。
飛行機はすでに離陸してしまったので、彼の言はしごく正論である。おまけに直行便なので次この飛行機の扉が開くとき、そこは成田国際空港だ。