二度目の永遠~ある夏にコロラドで見つけた牧場主との運命の恋~
ダグラスがこんなふうに丁寧な喋り方をするのをはじめて聞いて、乃亜の胸は熱くなった。彼がそれだけ曾祖母を尊重してくれていることが嬉しかった。
「幸せだったかどうかは……あなたのその目で見て、確認して欲しい。俺とノアはあなたを迎えにきました」
「でも……」
「その前に、あなたに礼を言わせてください。まずはダグラス・ジョンソン・マクブライトというひとりの男として。ノアをスプリング・ヘイブン牧場に送ってくれてありがとうございます」
「まあ」
「そしてウィリアム・マクブライトの息子として。親父からの伝言です。ツキコと……その子供たちを守り続けてくれて、ありがとう」
乃亜は嗚咽を抑えきれずに両手で口を覆った。
ふたりが出発する前に、ダグラスが一瞬だけウィリアムに会いに行ったのは知っていたけれど。
乃亜が思う以上にウィリアムとダグラスの絆は強いのだ。
いつか、もっと話を聞けたらと思う。
いつか……。
「ああ、ウィリアム……」
「俺たちと一緒に来てくれますね? もちろん楽なことでないのはわかっています。必要な書類や診断書もあるでしょう。それから航空会社が付き添いを条件にしてくると思いますが……俺はEMT……緊急医療技師の免状を受けているので、役に立てると思います」
あ、と乃亜はつい声を漏らした。
そこには考えが及ばなかったけれど、ダグラスはコンバット・メディックだったのだ。免状のひとつやふたつはあるのだろう。それがこんなケースで役に立つかもしれないなんて……人生は本当にわからない。
すべてはこのときのために。
でも、このときでさえ、未来へ続く通り道にすぎなくて。