二度目の永遠~ある夏にコロラドで見つけた牧場主との運命の恋~
「俺たちの二度目のために」
広々としたホテルの客室に入ると、ダグラスはまずシャワーを浴びた。
空港へ向かう直前まで続けた牧場での仕事。長期間の国際線フライト。はじめてきた日本で最初にしたことといえば、意中の女性の実家を訪ねることだった。
彼女の曾祖母と語り合い、母親と対峙して、プロポーズじみたことまでしたのだから……一旦ひと息つくくらいの贅沢は許されるだろう。
バスルームから出ると、ダグラスはジーンズだけ履いて髪を拭きながら、メインルームのガラス窓から臨める東京の夜景を眺めた。
──美しくないとは思わない。
光の洪水は目を引く。
これだけ混沌としているのに、決して乱れないきらびやかな夜景。おそらくこの時間帯でも、この街にはいくらでも見るべきものがあり、やるべきことがあり、ひとを退屈させない誘惑がひしめいている。
かつて、ダグラスにも外の世界に憧れた時期があった。
外国。都会。知らない土地。冒険。
それらにまったく魅力を感じないとは言わないが、ダグラスにはすでにそういった刺激より大事なものができてしまっていた。