二度目の永遠~ある夏にコロラドで見つけた牧場主との運命の恋~
「ダグラス、ここに来てくれ。話をさせて欲しい」
これが最後になるとは知らなかった、三日目の朝。
春子が乃亜の手を借りて浴室を使っているあいだ、ウィリアムはダグラスを枕元に呼び寄せた。
少々なら起き上がることもできたし、歩行器を使えば家の中を歩くこともできる状態だったにも関わらず、その朝だけは、ウィリアムは起きようとしなかった。
再会してからこのかた、ウィリアムと春子はたとえ一時でも離れたがらなかったから、乃亜も交えて四人で歓談する以外、父息子ふたりきりで話す機会はあまりなかった。
だから、ダグラスは大人しくウィリアムの要望に従った。
「どこから……お前に礼を言うべきなんだろうな」
ベッドサイドに置かれた椅子に座ったダグラスに向かって、ウィリアムはつぶやいた。
「わからないなら、言う必要はないよ」
ダグラスは小さく笑った。
「わたしは自分の言いたいことを完璧にわかっている。ただ……あまりにも多すぎて、まとまらないだけだ」
「ふうん……?」