二度目の永遠~ある夏にコロラドで見つけた牧場主との運命の恋~
* *
「ルナ! こっちにいらっしゃい!」
乃亜が声を上げて娘を呼ぶと、二歳になったばかりのルナ・マクブライトは顔を上げてこちらに向かって走ってきた。
柔らかい薄茶色の髪。同色の瞳。ダグラスは乃亜そっくりだと思うが、日本人がルナを見ると必ずダグラスそっくりだと言う。可笑しなものだ。
ダグラス、乃亜、そして娘ルナのマクブライト一家は、牧場の南端にある湖畔にいた。
時刻は夜八時過ぎ。
牧場の従業員も交えた夕食を終え、夏の夜の散歩にきていた。ときはウィリアムと春子が天に召されてからもうすぐ五年になる。
「お前は本当にお転婆だな、コロラドのお嬢さん」
ダグラスは駆け寄ってきた娘を抱き上げて、そのまま肩車にした。ルナはキャッキャと笑って、「コロラドの! おじょーさん!」と父親の言葉を繰り返している。
乃亜は微笑みながらそんな父娘を見つめている。
ダグラスは隣を歩く彼女の手を取った。
「東京のお嬢さんの気分はどうだ?」
「ふふ、大丈夫ですよ。ルナのときと同じで、つわりがあるのは朝だけなの。多分もう少しで終わると思うんだけど……」
「大事にしてくれ」
「はーい」