二度目の永遠~ある夏にコロラドで見つけた牧場主との運命の恋~
「お……お母様の写真はないんですか……?」
ここまで失礼な発言を繰り返してしまったのだから、もうひとつくらい口走っても、ダグラスの乃亜に対する印象は変わらないはずだ。
少なくともこれだけははっきり知りたくて、乃亜はダグラスに対峙した。
「お母様?」
「あなたの……母親です。つまり……ウィリアムさんの奥さんか……恋人だったひとか……」
ここから続いた沈黙の重さを、乃亜は一生忘れられないだろう。
ダグラスはその灰色の瞳を見開いたあと、思わず悲鳴を上げたくなるような鋭い目つきで、乃亜を睨んだ。
もしかしたら小さな悲鳴が無意識に口から漏れていたのかもしれない。
慌てて下を向いた乃亜の視界に、革のブーツがスッと入ってくる。気がついたらダグラスは乃亜の目の前に迫ってきていた。
「親父を……ウィリアムを侮辱するのはやめてもらおうか」