二度目の永遠~ある夏にコロラドで見つけた牧場主との運命の恋~
ウィリアムではない。
ウィリアムが兵隊だったのはもちろん知っている。だからこそ彼は曽祖母と知り合ったのだ。彼の時代はおそらく兵役があって選べなかったし、もちろん戦争だった。
でもダグラスは……。
「四年だけだ。ハワイと……アフガニスタンを少し」
「どうして……?」
と、口が滑ってしまってから、ものすごくプライベートなことを聞いてしまったのだと気がついて、乃亜は慌てた。
ダグラスが、同じように米軍の軍服を着た友人と一緒にポーズを取っている写真は、一枚しかなく、そしてウィリアムは写っていない。
それ以後の写真もなかった。
ダグラスの母親もいない。
「特に深い意味はないよ」
ダグラスは静かに答えた。
「すみません、出過ぎたことを聞いて」
「別に隠しているわけじゃない。気にしなくていい」
とは言ってくれたが、ダグラスにそれ以上の説明を続ける気がないのは明らかだったので、乃亜は写真から目を逸らした。
そして大きなリビングと広いキッチンと、そこから続いている書斎コーナーとを繁々と観察する。
素敵だ、やっぱり。
少し殺風景なミニマリズムではあるけれど、きっと女のひとがいてインテリアを考えている……はずだ。
ダグラスの妻か、恋人。
もしくは、ウィリアムの……。
その想像をすると乃亜の胸はギュッと締めつけられる。乃亜は心のどこかでウィリアムは曽祖母を愛し続けてくれていると思っていた。
願っていた。
そんな資格はないのに。
それに、乃亜がすでにひ孫の代に当たるのに対して、ダグラスは息子だ。つまり、かなり高齢になるまで待っていてくれたことになる。それだけでもすごいことだ。