二度目の永遠~ある夏にコロラドで見つけた牧場主との運命の恋~
フクロウの鳴く夜
牧場の従業員だという初老のヒスパニック系男性・ホセに案内されて、乃亜は与えられたキャビンに入った。
小さい丸太造りのログキャビンが三棟ほど連なっていて、ウィリアムとダグラスの邸宅から徒歩で二分とかからない距離に並んでいる。
乃亜はそのうちのひとつを使わせてもらえるという。
「あんまり豪華じゃないけどさ、ダグラスの旦那は自由に使っていいって言ってるよ。若い子が楽しむようなもんは少ないが、景色はいいし空気はうまいし、この牧場での滞在を楽しんでくれ。キッチンはここで……」
ホセはちょっと舌を巻くスペイン語訛りの英語で、にこやかにキャビン内を説明して回ってくれた。
「ありがとうございます、ホセ。しばらくお世話になります」
「こちらこそよろしくな、かわい子ちゃん」
ちょっとコンプラ的に怪しいことを言い放つホセを見送ったあと、乃亜はキッチン兼居間にあるソファに座り込んだ。
「ふぅ……」
どうしよう。
まだ心臓がドクドクと痛いくらい強く脈打っている。
まさかこんな……。こんなことになるなんて。
乃亜は気だるい体を投げ出すようにして、八十年代の香りがプンプンする焦茶色の革張りソファにどさりと寝転んだ。