二度目の永遠~ある夏にコロラドで見つけた牧場主との運命の恋~
ひるがえって自分の恋を思い出す。
そもそも乃亜が、お盆でもないこんな時期に日時の制限なくアメリカ渡航できるのは、ひとつの恋があっけなく終わったからだ。
あまりにもあっけなさすぎて、スマホのメッセージひとつで終わりになった恋。
(でもこの世には、八十年間ひとりの女性を想い続けられる男性が、本当にいるかもしれないんだ……)
それはひとつの救いだった。
この世には永遠の愛も誠実な男性もいないと絶望していた乃亜にとっての、一縷の希望……。
「誠実な男性……か」
と、ポツリとつぶやいてみた途端に、あるアビエイター・サングラス姿の長身カウボーイの姿が乃亜の脳裏に現れる。
そして、彼がサングラスを外した瞬間のあの衝撃が、手に取るように蘇ってきて……。
「……なっ、なんであのひとなの!」
乃亜は慌ててブンブンと首を振った。
ダグラス。
ウィリアムの息子……もとい、養子。
おそらく彼は乃亜の存在そのものを疎ましく思っているだろうし、住む世界の違うひとだ。乃亜は彼のことをまだほとんど知らないし、知らないままで終わってしまうのかもしれない。
でも……これは予想と、想像に過ぎないけれど……ダグラスはきっとウィリアムに負けず劣らず一本気なひとだ。
いわゆる「いいひと」ではないかもしれないけれど、外面の殻は恐竜の卵よりも硬いけれど、一度愛した相手には生涯誠実でいるひとだろう。
そんな気がする。
なんといってもウィリアムに育てられたひとだ。
しかし、悲しいかな……彼が乃亜を好きになってくれる可能性は百にひとつもないけれど……。