二度目の永遠~ある夏にコロラドで見つけた牧場主との運命の恋~
ふたりがはじめて肌を重ねたのも、その静かな川辺で、もちろん夜の薄闇の中だった。
誘ったのは春子だった。
ウィリアムはあくまで、結婚……せめて婚約が成立するまで待ってくれようとした。でも、目の前に大好きな男性がいて、明日がどうなるかわからない日々を生きていて、どうしてそんなに待つことができるだろう?
春子はウィリアムとの確かな繋がりが欲しかった。
おそらく、ウィリアムの片想いからはじまったこの恋は、思想相愛を経て、身を焦がすような春子の切ない恋慕へと『シフト』している。
ウィリアムが教えてくれた単語だ。
変化とも、進化とも少し違う。
自然と横に流れるような移り変わりだと彼は説明してくれたが、合っているだろうか……。
「ハル、コ……」
この頃になると、ウィリアムはカタコトながら多少の日本語を話せるようになっていた。「る」に重い調子を置いた妙な呼び方から、日本人が普通に言う「春子」に近い調子になってきているけれど、でもまだ少し違って、くすぐったい。
おそらく、春子が呼ぶ彼の名前も、そんなふうに変わってきている。
いつか互いに流暢になる日が、くるだろうか……。