二度目の永遠~ある夏にコロラドで見つけた牧場主との運命の恋~
「コワク……ナイ、デスカ……」
垢抜けないモンペの襟ぐりに、ウィリアムの冷たい手が入ってくる。
季節はすでに秋で、湿度の高い川べりは特に気温が下がる。外気は肌寒いはずなのに、春子の身体は火に炙られたように熱くて、息が上がった。
「いいえ、ウィリアム。熱い……。熱いわ。怖くは、ないの」
素肌に触れられると、その熱はもっと勢いを増して春子のすべてを奪っていった。常識とか、将来とか、貞操とか……この業火の前に、焼かれずに残るものなんてない。
『俺は怖いよ』
ウィリアムは静かに英語で言った。
「どうして?」
『これで、この想いは永遠になるから。俺はもう二度と、君から離れられなくなる』
──それは女である春子の台詞では?
そんな指摘をしたかったが、うまく英語にできない。
モンペの前が開けて、春子の素肌がウィリアムの目にさらされた。
ウィリアムの腕は春子の背を抱き、ぐいっと強引に引き寄せる──彼のものと重なった腹部がじんと痺れて、これは欲望による反応だと本能が悟った。
ところがウィリアムは決して急かさず、春子がジレてしまうほどゆっくり慎重に、コートと呼ばれる外套を脱ぐとそれを河川敷に敷いた。
「アナタヲ、キズツケル……シタクナイ」
ああ……。
春子が選んだ、このひとは。
どこまで優しくて、どこまで誠実でなんだろう。
『傷つけても、いいのに』
今度は春子が英語でささやく番だった。