二度目の永遠~ある夏にコロラドで見つけた牧場主との運命の恋~

 気を取り直して、地面に落とした鍬を拾いなおすと、乃亜は自らがばら撒いたものも含めたすべての干し草を掃除する作業に没頭した。
 ざっ、ざざざっ、ざっ。

 どのくらい時間が経っただろうか……。
 作業をこなしていく中で、乃亜はだんだんダグラスの服装の意味を理解していった。

 レギンズでは布が薄すぎて干し草が脚にチクチク刺さる。運動靴は確かに歩きやすいかもしれないけれど、鍬の刃や干し草や馬糞から足を守ってくれない。半袖もあまり賢い選択とはいえなかった──どちらにしても汗だくになるし、屋根があるとはいえ窓から差し込んでくる日光や、まとわりついてくるハエや蚊の格好の餌食になる。

 そんなわけで、ほぼ満身創痍のクタクタになりながらも、乃亜は厩舎の通路を干し草フリーの清潔な空間にすることに成功した。
 最後にひたいの汗を手の甲で拭いながら、自らの仕事を満足げに眺める。

「よしっ、これでぐうの音も出ないでしょう!」

 ずっと夢中になっていて確認していなかったが、スマホを開くとすでに二時間近くが経過していた。
 乃亜はもとあった場所に鍬を戻すと、おもむろに顔を上げる。

 ダグラスは……どこに行ったんだろう。
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