二度目の永遠~ある夏にコロラドで見つけた牧場主との運命の恋~
「君の言う通りのようだな」
風が乃亜の髪を揺らす。
土と草の香りが鼻腔を満たして、乃亜の中に眠っていたなにかを目覚めさせた。
──どうして運命は乃亜をこの土地に導いたのだろう?
曾祖母春子ではなく、乃亜を。
半世紀以上昔に儚く消えた夢を叶えるみたいに、おそらくウィリアムの死期を前にして、乃亜だけを。乃亜はどうすればいいんだろう。
本当に、手紙を渡しただけで、去ればいいの?
あまりにも壮麗たる地を目にしているからだろうか。こんなふうに感傷的になるのは。
意味なんてないかもしれないのに。
運命なんてただの偶然かもしれないのに。
でも、逃げるわけにはいかなくて。立ち向かうにはまだ心もとなくて。どうしていいかわからない……。答えが欲しい。
「いけない……ダグラスさんを探すんだった……」
日本語でつぶやいた乃亜は、両手で涙の跡を拭うと牧場を歩き出した。