二度目の永遠~ある夏にコロラドで見つけた牧場主との運命の恋~
「俺は誰も乗せない」
いったん厩舎に戻ったふたりは、再びチャンピオンに乗せてもらってマクブライト邸に向かった。乗馬がこんなに気持ちいいものだなんて、乃亜は知らなかった。
家の中に入ると、ダグラスは居間で本当にすり傷を消毒してくれた。包帯を巻くことさえ提案してくれたけれど、乃亜は丁寧に断った。
(意外と……こう……誰にでも過保護なひとなのかな)
そう思うことで乃亜は自分を落ちつかせた。
「朝食はもう食べたのか?」
救急箱をしまうと、ダグラスは唐突に聞いてきた。
「キャビンにインスタントコーヒーがあったのでそれをいただきました。あと、自分の荷物にグラノーラバーがあったので、それを」
乃亜の答えにダグラスはうなずいた。
「なにか作るよ」
「え!」
「ここは牧場だからベーコンや肉ならいくらでもある。ベジタリアンではないだろう?」
「え、ええ……。どちらかというと肉より魚派ですけど、普通に食べます」
「それはよかった」
乃亜をリビングスペースのソファに残して、ダグラスはスタスタとキッチンに向かった。オープンキッチンなので彼の一挙手一投足はすべて見える。ダグラスは明らかに慣れた動きで大きなフライパンを手にした。
灰色の瞳の長身美形カウボーイ。
料理もできます。
──なんて、ちょっと完璧すぎて反則では? 乃亜は口の中に唾が溜まるのを感じた。多分……食欲のせいだけではない。