お兄ちゃんがアイドルとか知りません!!
LINE
放心状態になっていると。
ピロリン、と、わたしの心情に似合わない軽快な通知音。
公式LINEとかならいいんだけど…もしかしたら緊急かも、と開けば、最も見たくない人からのLINE。
【お兄ちゃん:土日でそっちに行こうかな】
…え、お兄ちゃん、くるの?
すぐに既読をつけてしまったことを後悔するまでもなく、新たなメッセージが送られる。
【お兄ちゃん:伊乃莉に話したいこともあるし、帰るわ】
もう決定事項なんだ…。
正直、目の前で話されたら動揺するし、もう知ってますなんて言えない(推し活歴0だし)…。
【LINEじゃだめなの?お兄ちゃんも忙しくない?】
当たり障りのない返事を考えて、送る。
お兄ちゃん相手にこんなに気を遣ったの、初めてかも。
【お兄ちゃん:ん〜、まぁ忙しくないわけじゃないけど。
珍しくない?伊乃莉が俺に会いなくないの。もしかして反抗期きた?】
デリカシーないなぁ…ほんとに。
なにが「反抗期きた?」だよ。こっちは真剣に悩んでるのに…。
もっと疑われるとまずいし、しょうがないから快く承諾をするふりをしよう。
【会いたい会いたい!お母さんとお父さんにも伝えとくね〜】
ほんと、なんでこんなことになったんだろう。
お兄ちゃんがアイドルだとしても、堂々としてればいいだけじゃないか。
わたしには関係ない(わけじゃないけど)し、お兄ちゃんが喜んで夢を追っているなら応援してあげたい。
明日、どんな顔してお兄ちゃんに会えばいいんだ…。
テストの問題より難しい「超難問」にぶつかったわたしは、考えているといつのまにか眠くなって…。
「伊乃莉〜、お兄ちゃん来るなら言ってよ〜!」
───最っ悪。
目覚めたら横にママいるし。
もう、お兄ちゃんも来たみたいだった。