御堂先生は溺愛中
「凛はさ、どんなとこが好きなの?」
結奈が凛の肩を抱きながら、こそっと耳元でそう聞いた。
「え、あ、あの人の?」
廊下にはちらほらと女子生徒がおり、周りに聞かれたくない凛は名前をぼかしてそう聞き返した。
「そう、あの人。」
ニヤニヤしながらそう言う結奈に、凛はうーん、と考えた。
好きなところ。
自然と好きになっていて、それに気づいたのがついこの間だから考えたこともなかった。
優しいところ…なんて抽象的すぎ?
でも先生はいつだって私に優しくて、まっすぐで、心が綺麗で。
本当の意味で私のことを考えてくれてる人だから好きなんだ。
でもそれを言うのはなんだか恥ずかしくて
凛は「秘密。」とだけ答えた。
結奈はニヤけ顔のまま、「まああの人は優しいしイケメンだし好きにならない要素が少ないからね〜。」と返した。
好きにならない要素が少ない、かあ。
確かにそうかも。
先生は見た目も中身も完璧だ。
…たまに子供っぽいとことかもあるけど。
みんなが好きになる人だから、その中でも一際素敵な人間にならないと。
凛はそう再び決意したのに、
「早く自分のものにしないと奪われちゃうかもよ?」
結奈の言葉が凛の心に重く突き刺さった。
「ほら。」
そう結奈は続けて、廊下の先を指差した。