御堂先生は溺愛中
「そうだったな、大野は数学が得意だったな。…まあ大丈夫だ。データ見るとかそんなんだから入っちゃえばなんとかなるだろ。」
適当にそう言う佐野に、凛は「そうなんですね…。」と言いつつ、大学の名前を記入した。
「まああとはガッツリ理数系でいきたいとかだったら理学部とか〜。」
その瞬間、佐野の話を遮るかのように相談室のドアが開いた。
2人してドアの方を見ると、
「御堂先生が来るなんて、珍しいっすね〜。」
そこに立っていたのは御堂だった。
凛はその姿を視界に入れると、すぐに視線を机の上の紙に戻した。
どうしよう。
心臓が壊れてしまいそうなくらい大きな音で鳴ってる。
先生たちに聞かれてないかな。
そう思えば余計に激しく鳴っているように感じて。
「あ、佐野先生。ちょっと進路面談が近づいてるので調べ物です。」
そう言っていつもの笑顔を浮かべる御堂に、佐野は「へえ。」とあまり興味なさそうに返した。
「じゃ、俺行くから。あとは頑張れよ。」
佐野はそう言って凛の肩をぽんぽんと叩くと、相談室を後にした。