御堂先生は溺愛中
「えっと〜、あそこの大学の経営学部に受かるためにはどのくらい頑張ったらいいか、だったな?」
古賀はそう確かめるように聞きながら、資料をペラペラとめくった。
「あー…はい。そうですね。」
凛がそう返すと、古賀はページを捲る手を止めて、凛の方に資料を差し出した。
「ここの大学の経営学部の偏差値が、これ。」
古賀が指差す数字は、受験に無知な凛でもなんとなく高いということがわかるレベルだ。
その数字を目の当たりにして、凛は内心焦った。
「そんで、今のお前の立ち位置がこれ。」
古賀は今度は別の資料を差し出して別の数字を指差した。
「うわあ…。」
その数字の差に、凛は思わず声を漏らした。
「んで、ここの高校から、この大学の経営学部に進学してるやつの平均がこんくらい。」
またまた別の資料を指差す古賀に、凛は「こ、これは…。」と言葉を失った。
「今のお前の偏差値と、この高校からここに行くやつの偏差値の差が7もあんの。つまり、だいぶ厳しいってわけだ。」
現実を突きつけるその古賀の言葉に、凛は思わず息を呑んだ。
分かってはいたけど、私じゃ無理なのかな。
過去一に勉強ができない自分を恨めしく思った。
「で、ここは校内でも人気の大学だから、大野の今の成績だったら推薦はきっぱり諦めた方がいい。多分、っていうかほぼ無理。」
「はあ…。」
みるみるうちにかき消されていく希望に、凛はため息混じりの返事をした。