御堂先生は溺愛中
「ただ、まだ希望はある。」
「…え??」
古賀の言葉に、凛は目を輝かせながら古賀を見た。
「1学期の英語の中間テスト、あの時は赤点ギリギリだったけど、期末は平均をギリギリ越してる。
2学期もまあそこそこできてきてはいるし、大野はやればできるやつだと思ってる。」
「ほ、ほんとですか…??」
「ああ、この学部は英語が必須科目だから大野にとっては特に厳しい戦いになるかもしれない。だけど、今から準備すればいけるかもしれない。」
「準備って…?」
「そりゃ、勉強に決まってんだろ。」
そう言って古賀はテキストを一冊、凛に手渡した。
『高校基礎英語』と書かれたそれをまじまじと見つめる凛に、古賀は続けた。
「それを今日から毎日ちゃんと理解できるまでやること。」
「これ、くれるんですか!?」
「バカ、貸すだけだよ。この本には書き込むなよ?」
「…はあい。ありがとうございます。」
バカと言われたことに不服そうな凛は、少し口を尖らせながら感謝を伝えた。
「取り敢えず冬休み終わるまでに基礎は固めておくんだな。」
そう言いながら古賀は立ち上がった。
「じゃ、またなんかあったら話しにこいよ。」
古賀はそう言ってそのまま図書室を後にした。
古賀先生…おじさんだし、たまに口悪いし、ムカつくところもあるけど、案外いい先生じゃん。
凛は古賀の背中を見つめながらそう思った。