御堂先生は溺愛中
御堂は先ほどまで古賀が座っていたところに腰掛けると、凛の方を覗き込んだ。
急に距離が近づくのと同時に、嗅ぎ慣れない柔軟剤の香りが凛の鼻を掠めて、凛の心臓が飛び跳ねた。
今まで幾度となく距離が近づくことがあってもなんとも思っていなかったのに、好きだと気づいただけで、柔軟剤の香りにもどきまぎしてしまう、凛はそんな自分がおかしく感じた。
「あ、英語やってるんだ。偉いね。」
そう言って嬉しそうに笑う御堂に、凛は「はい、あの大学行くにはとにかく勉強しろって古賀先生に言われたんで。」と頭を掻きながら返した。
「そうなんだ。…嬉しいな。受かれば母校が一緒ってことになるんだ。」
素直に喜びの感情を表に出す御堂に、凛はこんなに喜んでくれてるんだから頑張らないと、と俄然気合が入った。
「わからないところある?大丈夫?」
そんな風に優しく尋ねる御堂に、凛は救世主だ…!と嬉し泣きをしそうになったが、ハッと我に返って「いえ、大丈夫です!」と返した。
こんなところで先生の力に頼っちゃダメだ。
自分の力で頑張らなきゃ、素敵の人だって思えない。