御堂先生は溺愛中
「私も謙次郎さんとお話ししてみたいと思っていたんです。」
「あは、そうなんですね。それはありがとうございます。」
御堂はいつもの作り笑顔を浮かべると、そう無難な返しをした。
「もしよかったら、今度一緒にお食事でもどうですか?」
恥じらいながらそう誘う美麗に、御堂は笑顔を作ったまま内心は心底困り果てていた。
食事、めんどくさいなあ。
でも父さん同時で付き合いあるみたいだし、変に断って父さんに迷惑かけるのもなあ。
「……お誘いは嬉しいのですが、仕事が忙しく地元に戻ってくる機会がなかなかなくて。お気持ちだけでも受け取っておきます。」
そう言い繕って会話を終わらせようとすると、
「そうしたら、私がそちらに行きます。それだったら謙次郎さんもご負担がないですよね?」
そうにっこりと笑って食い下がる美麗に、御堂はマジか、と笑顔を引き攣らせた。
「おー、飯くらい行けばいいじゃん。」
そこに大樹の言葉が最後の一押しとなり、あれよあれよと食事に行くことになってしまった。