御堂先生は溺愛中
22.大野さんは溺愛中
その日の放課後。
凛は1人帰る支度をしていた。
鞄にもう使わない教科書を詰め込みながら心を整える。
大丈夫、大丈夫。
これでいいんだ。
そう自分に言い聞かせながら、いつもより重たい鞄を背負った。
慣れない重さに少しフラフラしながら、凛は同じように帰る支度をしてる海斗に近寄った。
「ん?どした?」
机の前に立つ凛に気づいたのか、海斗は視線を鞄に固定したままそう聞いた。
「海斗、ありがとうね。」
海斗は凛のその言葉に「は?何が?」と首を傾げた。
「海斗のおかげで、私自分の気持ちに気づけたから。」
「あー、そうかよ。そりゃどうも。」
海斗はいつも通り興味なさそうにそう返した。
そんな海斗に凛はクスリと笑った。
「じゃあね。」
凛はそう言うと海斗の元を去った。