いい加減こっち見ろよ!〜見た目だけだとフラれ続ける私は、どうやら幼馴染の執着愛に気づいていなかったようです。〜
一章【私の中身はそんなにダメですか?】
1. 外見と中身の相違
****
「別れよう」
秋も深まって、黄色や赤に色づいた葉っぱがはらはらと舞い落ち始めた頃。冷たい空気に無防備な頬を撫でられながら聞いた言葉は、その空気にも劣らぬ冷えたものだった。
思わずぎゅっと身を縮こめて、耳を疑った。
あまり気は進まないが、言葉が言葉なだけにもう一度確認しなければなるまい。私は、現在進行形でお付き合いしている彼に、おずおずと聞き返した。
「....今、なんて?」
「....ごめん。八重は、俺なんかよりもっといい相手がいると思う」
けれど、やっぱり聞き間違いではなく。本当の本当に、今、自分は別れ話を切り出されていた。
「なに、言ってるの?そんなことないわよ。やだ、変な冗談やめてよ」
はは、と渇いた笑いを浮かべる。
今度こそ。次の相手こそ、真実だと思ったのにーー。
「...冗談じゃなくて、本気で」
「.....本気って....な、なんで?この間まで、可愛い可愛いって言ってくれてたじゃない。急に意味わかんないよ」
「....あー、もうめんどくせぇな」
「え....」
現実が受け入れられず食い下がると、ついに彼から本音がこぼれ落ちた。さっきまでしゅんと申し訳なさげに下がっていた眉は、今度はこちらをバカにするみたいに歪んだ線を描く。
「だから、八重の見た目は確かに可愛いよ。俺の好みど真ん中だし。でもさぁ....」
「...........」
「その見た目で、その中身って....それじゃ、まるで詐欺じゃん?想像してたイメージと違いすぎて、戸惑うっていうか、冷めるっていうか。とにかく、誰だって八重の性格知ったら、外見と落差ありすぎて引くって」
「引く....」
あまりの衝撃に、言葉を繰り返してしまった。
「....そ。まぁ、そういうことだから。ごめん、俺、もっと控えめで女の子らしい子が好みなんだわ。....じゃ、元気でな」
去っていく背中を呆然と見つめる。
走馬灯のように浮かんでくるのは、今言われた言葉の数々と、またもや同じ結果に終わった今までの恋愛の終幕場面だった。
「.....ふ、ふふふ。《《また》》か」
私の見た目はいいらしい。今まで染めたことのない背中まで伸びるストレートの髪の毛は艶々指通りが良く、ぱつんと切られた前髪からのぞく優しげな眉に、長いまつげに覆われた少し垂れた上品な目元、黒い瞳。鼻筋の通った鼻、ふっくらさくらんぼみたいな赤い唇。肌はつるりと白く綺麗で、外見だけ見ると儚く清楚に見えてしまう。
服装は、パンツスタイルだったり、ワンピースだったり。その日によって違うし、赤色の小物や鞄がお気に入りで、紺や白を好みそうな清楚系かと言われると違っているのに。
「別れよう」
秋も深まって、黄色や赤に色づいた葉っぱがはらはらと舞い落ち始めた頃。冷たい空気に無防備な頬を撫でられながら聞いた言葉は、その空気にも劣らぬ冷えたものだった。
思わずぎゅっと身を縮こめて、耳を疑った。
あまり気は進まないが、言葉が言葉なだけにもう一度確認しなければなるまい。私は、現在進行形でお付き合いしている彼に、おずおずと聞き返した。
「....今、なんて?」
「....ごめん。八重は、俺なんかよりもっといい相手がいると思う」
けれど、やっぱり聞き間違いではなく。本当の本当に、今、自分は別れ話を切り出されていた。
「なに、言ってるの?そんなことないわよ。やだ、変な冗談やめてよ」
はは、と渇いた笑いを浮かべる。
今度こそ。次の相手こそ、真実だと思ったのにーー。
「...冗談じゃなくて、本気で」
「.....本気って....な、なんで?この間まで、可愛い可愛いって言ってくれてたじゃない。急に意味わかんないよ」
「....あー、もうめんどくせぇな」
「え....」
現実が受け入れられず食い下がると、ついに彼から本音がこぼれ落ちた。さっきまでしゅんと申し訳なさげに下がっていた眉は、今度はこちらをバカにするみたいに歪んだ線を描く。
「だから、八重の見た目は確かに可愛いよ。俺の好みど真ん中だし。でもさぁ....」
「...........」
「その見た目で、その中身って....それじゃ、まるで詐欺じゃん?想像してたイメージと違いすぎて、戸惑うっていうか、冷めるっていうか。とにかく、誰だって八重の性格知ったら、外見と落差ありすぎて引くって」
「引く....」
あまりの衝撃に、言葉を繰り返してしまった。
「....そ。まぁ、そういうことだから。ごめん、俺、もっと控えめで女の子らしい子が好みなんだわ。....じゃ、元気でな」
去っていく背中を呆然と見つめる。
走馬灯のように浮かんでくるのは、今言われた言葉の数々と、またもや同じ結果に終わった今までの恋愛の終幕場面だった。
「.....ふ、ふふふ。《《また》》か」
私の見た目はいいらしい。今まで染めたことのない背中まで伸びるストレートの髪の毛は艶々指通りが良く、ぱつんと切られた前髪からのぞく優しげな眉に、長いまつげに覆われた少し垂れた上品な目元、黒い瞳。鼻筋の通った鼻、ふっくらさくらんぼみたいな赤い唇。肌はつるりと白く綺麗で、外見だけ見ると儚く清楚に見えてしまう。
服装は、パンツスタイルだったり、ワンピースだったり。その日によって違うし、赤色の小物や鞄がお気に入りで、紺や白を好みそうな清楚系かと言われると違っているのに。