いい加減こっち見ろよ!〜見た目だけだとフラれ続ける私は、どうやら幼馴染の執着愛に気づいていなかったようです。〜
2. 奇妙な✖️✖️✖️✖️
「.....う、っ、んぐ。....今、いつものファミ、レス....向かってるとこ~.....パ、パフェ~」
『.....わかったから。着替えて、すぐ行く。もう暗いから、なるべく明るい道通ってくんだぞ?わかったな?』
「う....う、ん~。わかったぁ....ズッ」
子供みたいに泣きじゃくりながら、無意識に暗く人通りの少ない道を選んでいたことに気づいて、言われた通り明るい道に向かって歩をすすめた。さすがに、泣き顔のまま大通りに出るわけにもいかず、持っていたハンカチでメイクが落ちるのも厭わずゴシゴシと涙を拭き取る。
『いい子だ。.....このまま電話、繋げとくか?』
相変わらず、スピーカー越しに話し続けながら出かける準備を進めているのだろう。カチャカチャと不規則になる音とともに、気遣わしげに問われた。
「うん~...ずびっ。...繋げとく~」
『....じゃあ、俺がそっちに着くまで電話でしりとりでもするか?』
目元を拭いて、今度は流れ出る鼻水を拭って答えると、予想だにしない提案が飛び出て目を丸くする。
「しり、とり?」
『ああ。俺からな?』
「え....う、うん」
了承の返事を待たずに始まった『しりとり』のおかげですっかり意識が逸れ、涙と鼻水は乾いてきた。
『意地っ張り』
「え...なっ、なによ~それ」
それは、“奇妙な“しりとり。ピクリと身体が震えたけれど、待ったなしで一生は続けていく。
『はは、いいから。ほら、八重の番。“り“だぞ』
「え~....りす?」
『ん。...素直』
「...おにぎり?」
『凛々しい』
「....い草」
『寂しがり屋』
「....八雲パパ」
『はは、何で親父が登場するんだよ』
「ふふ、え~、いいじゃん」
“や“と聞いて思い浮かんだのは、一生の父・大狼 八雲。一生と同じ医師で、家の近くに医院を開き、開業医として日々患者と向き合っていた。
『ま、いいか。...パワフル』
「....ルビー?」
『んー....ビ、だから...“ひ“もアリだよな』
「んー、アリとしましょう」
『よし。じゃ、百面相』
「うっ...やっぱりナシにすれば良かった~」
『ははっ、もう遅いわ』
「むう。...じゃあ、卯の花」
『泣き虫』
「....塩」
狼狽えるほど、次々とズバリ言い当てられる自分の《《中身》》に、苛立ちは一切なく。むしろ、口元はほころんでいく。
『「お人好し」』
「あ......」
会話しているうちに、あっという間に大通りに出て、行き交う人の数が増えて、目の前にオレンジ色のあたたかな明かりが迫っていた。私の....いや、私と一生、“二人の“行きつけのファミレスがすぐそこに見えた時、電話の向こうから聞こえる声と、頭の上から降ってくる声が重なって、私はぴたりと立ち止まった。
「お待たせ」
『.....わかったから。着替えて、すぐ行く。もう暗いから、なるべく明るい道通ってくんだぞ?わかったな?』
「う....う、ん~。わかったぁ....ズッ」
子供みたいに泣きじゃくりながら、無意識に暗く人通りの少ない道を選んでいたことに気づいて、言われた通り明るい道に向かって歩をすすめた。さすがに、泣き顔のまま大通りに出るわけにもいかず、持っていたハンカチでメイクが落ちるのも厭わずゴシゴシと涙を拭き取る。
『いい子だ。.....このまま電話、繋げとくか?』
相変わらず、スピーカー越しに話し続けながら出かける準備を進めているのだろう。カチャカチャと不規則になる音とともに、気遣わしげに問われた。
「うん~...ずびっ。...繋げとく~」
『....じゃあ、俺がそっちに着くまで電話でしりとりでもするか?』
目元を拭いて、今度は流れ出る鼻水を拭って答えると、予想だにしない提案が飛び出て目を丸くする。
「しり、とり?」
『ああ。俺からな?』
「え....う、うん」
了承の返事を待たずに始まった『しりとり』のおかげですっかり意識が逸れ、涙と鼻水は乾いてきた。
『意地っ張り』
「え...なっ、なによ~それ」
それは、“奇妙な“しりとり。ピクリと身体が震えたけれど、待ったなしで一生は続けていく。
『はは、いいから。ほら、八重の番。“り“だぞ』
「え~....りす?」
『ん。...素直』
「...おにぎり?」
『凛々しい』
「....い草」
『寂しがり屋』
「....八雲パパ」
『はは、何で親父が登場するんだよ』
「ふふ、え~、いいじゃん」
“や“と聞いて思い浮かんだのは、一生の父・大狼 八雲。一生と同じ医師で、家の近くに医院を開き、開業医として日々患者と向き合っていた。
『ま、いいか。...パワフル』
「....ルビー?」
『んー....ビ、だから...“ひ“もアリだよな』
「んー、アリとしましょう」
『よし。じゃ、百面相』
「うっ...やっぱりナシにすれば良かった~」
『ははっ、もう遅いわ』
「むう。...じゃあ、卯の花」
『泣き虫』
「....塩」
狼狽えるほど、次々とズバリ言い当てられる自分の《《中身》》に、苛立ちは一切なく。むしろ、口元はほころんでいく。
『「お人好し」』
「あ......」
会話しているうちに、あっという間に大通りに出て、行き交う人の数が増えて、目の前にオレンジ色のあたたかな明かりが迫っていた。私の....いや、私と一生、“二人の“行きつけのファミレスがすぐそこに見えた時、電話の向こうから聞こえる声と、頭の上から降ってくる声が重なって、私はぴたりと立ち止まった。
「お待たせ」