婚約者にバカにされ続けた侯爵令嬢が「ざまぁ」するに至るまで

15.贋作と木剣

 ある日の昼過ぎ、ミラジェーンは王城にて第一王子アッシュとルーシーに事のあらましを説明した。


「伯爵の画廊に贋作? それもうちの画廊と同じ品が? ふむ……では画廊に行こうか」

「いきなり部外者を連れて入って構いませんの?」


 話を聞き終えるなり立ち上がったアッシュに、ミラジェーンは思わず目を丸くした。

 しかしルーシーが笑ってアッシュに続いた。


「あら、ここに部外者はいないわ、ミラ。こちらは王位継承権第一位の王子殿下」

「実は俺は王子だったんだ」

「そこは疑っておりませんが」

「そして私はその王子殿下の正式な婚約者で、日々王妃教育に悲鳴を上げているわ」

「そ、それも疑っておりませんわ」

「さらにその私の弟の婚約者、つまり私の妹。私の妹ということは、王子殿下の妹。部外者などいませんわ。行きますわよ!」

「る、ルーシー様、お待ちになって……!」


 勢いよく部屋を飛び出したルーシーを、アッシュとミラジェーンも追いかけた。

 さすがに王族専用の画廊には、何の許可もなくミラジェーンは入ることができなかった(ルーシーはアッシュの説得で入れそうだった)。


 しかし、代わりに所蔵品の目録が城内の図書室にあったため、三人はそれを確認することにした。


「えっと、こちらとこちらですね。あ、これも」


 ミラジェーンは同行していた侍女を呼び、共に画廊で見た品を確認していった。

 図書室には他にも美術書があり、それらをめくりながら画廊で見かけた品を探していった。

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