きっと、夏のこと
休憩時間になって、そっと本を手に取る。牧田さんから借りた本。
時々、牧田さんの書き込みがあるんじゃないかなって探しても見つからなかった。
牧田さんの切れ端でさえも少しも見つからなかった。
「熱心じゃん」
「うん」
私は興味がないとばかりに適当な返事をした。
そろそろ、声の正体がわかるようになってきてしまう。
「まっきーさん、連絡取ってんの?」
「なんで?」
「いや、取ってんのかなって」
「逆にヤスはとってんの?」
「いや、連絡先すら知らないわ」
「そうなんだ、私も別に取ってない」
彼が聞いてくることは全部自分の牧田さんへの気持ちを見透かしてるような気分になって、いつも不愉快になる。
ヤスのことは分かりたくない。
「まっきーさんとどういう関係?」
「それ、関係ある?」
「なんでそんなキレんの」
「いや、ごめん。」
私と牧田さんの関係に土足で踏み込まれそうなのを私は必死に阻止した。