きっと、夏のこと

第十三話 ばいばい


夏が終わり、休息もつかの間。


秋学期になると、一層軽音サークルは盛り上がりを見せていた。


冬講演に向けて、グループ編成と曲決めがあった。


同じ楽器は一旦グループを別にするってことになって、彼女と苦い顔をしあって別のメンバーを探した。





「なあ、組む人決まってんの?」


急に声が聞こえて驚いてしまう。


誰かと思って振り向くと、ヤスだった。



「いや、決まってないけど」

「じゃあ組まない?」

「う、うん」


彼女の方をチラッと見て、別のギターの男子と組んでグループを作っているのを見て安心した。


初めて組むグループでは本当に初めての曲を聴いた。


知らない世界だったけど、知ろうともしなかった。

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