凪渡くん、このままじゃ溶けてしまいます【完全版】
でも凪渡くんはいつも通りの軽口を話す。



「もしかして、怖気づいちゃった?」



「そんなわけないっ……!」



凪渡くんが優しく笑う。


(ああ、もう悔しい。絶対言わされた)


「じゃあ、パーティーで父親に宣戦布告でもしてやろうよ」

「凪渡くんは、本当に良いの……?」

「何が?」

「私なんかのためにお父さんと対立して……」

凪渡くんが私に近づき、両頬をむにーっと引っ張った。





「にゃにするの!」




「莉帆ちゃん『なんか』じゃないよ、自分のお姫様のために尽くすのは当たり前でしょ」





そのまま凪渡くんは私の両頬を引っ張っていた手で、優しく私の頬をなでる。





(あ、キスされる)




「って、だめー!!!!」




私は力いっぱい凪渡くんを押し返した。
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