凪渡くん、このままじゃ溶けてしまいます【完全版】
「へー、どこが好きなの?」



何故か仁くんはこの話に食いついた。

凪渡くんの好きなところ……初めて会った時の印象は最悪だし、胡散臭いし、よくからかうし、誤魔化すのが上手だし。

こう思うと言葉にするのは、案外難しい。

でも、それでもいつの間にか気づいていたことがある。

いつの間にか気づいていた凪渡くんの大好きなところがある。








「いつだってどんなことも私一人で背負わせてくれなくて、絶対一緒に背負ってくれる人」







そんな凪渡くんだから、私も凪渡くんの想いを一緒に背負いたいと思った。


「あと、手が温かいところも好き。安心するから」


「白木、のろけすぎでしょ」

「ちがっ! いや、違くはないけど、違うから!」

「ちゃんとした日本語になってないし。馬鹿らし」

仁くんはこちらを振り向かなかった。







「ま、そんなやつなら白木にお似合いなんじゃない?」







それだけ言って、休憩室を出ていってしまう。

何故仁くんがそんなことを言ったのか分からなくて……でも仁くんの様子がいつもと違うことは分かった。

何かあることは分かった。

だから、このままじゃダメな気がした。
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