凪渡くん、このままじゃ溶けてしまいます【完全版】
だから、私は凪渡くんの肩をペシっと軽く叩いた。



「バイト仲間だって言ったでしょ、失礼なことしないで」



私の言葉に反応したのは、凪渡くんじゃなくて仁くんだった。











「その人が警戒するの合ってるよ。だって、白木のこと好きだし」











気づいたら、私は振り返って仁くんの顔を見ていた。

今、何が起きた?

でも、どれだけ心の理解が追いつかなくても、頭では意味を理解してしまっている自分がいた。

返事をしないと……

早く返事をしないと……

そんな私の表情を見て、何故か仁くんが「ふはっ」と吹き出す。







「嘘だよ。白木が俺のこと待ってたのは、俺の態度がおかしかったからでしょ? 理由はお腹が空いていただけ、以上」







「え……」







「だから、嘘。あまりにその人が警戒心むき出しだから、つい言い返してみただけ」

「いや、仁くんはそんなことしないでしょ!」

「するよ。俺だって、冗談くらい言うよ。何よりさっきの白木の話を聞いて、告白するバカいないでしょ」

確かに私は先ほど仁くんに「好きな人がいる」とも言ったし、「凪渡くんの好きなところ」も話した。
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