凪渡くん、このままじゃ溶けてしまいます【完全版】
昼休みにいつもの空き教室に行って、睡眠を取る。

凪渡くんと前にこの教室で会ったが、あれ以来凪渡くんがここに来ることはなかった。



(まるで私の睡眠時間を守ってくれているみたい)



校内で人気者の凪渡くんが私に話しかけられる場所は少ないのに、この場所の邪魔もしない。

なんか、そういうとこが、本当に……




(結局、凪渡くんのことばっかり考えてる……もっと別のこと……ああ、ダメだ。もう眠すぎる……)





すぐに寝息を立てて眠ってしまう。

ガタッ、と空き教室の扉が開く。

でも眠っている私は、空き教室に誰が入ってきていても気づかない。

実は、凪渡くんが私が寝た後にいつも空き教室に来ていることなんて気づけるはずがない。






(ん……誰かが頭を撫でてくれている? そんなはずないか。でも、気持ちいいなぁ)






「ちゃんとぐっすり眠ってね、お姫様。……って、前髪もぐちゃぐちゃだし」





優しく私を撫でていた手が離れていく。
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