凪渡くん、このままじゃ溶けてしまいます【完全版】
「あれ、誰? バイト仲間?」

仁くんを「あれ」と言っている時点で、多分凪渡くんは苛ついてる。

「そう、バイト仲間。雨だから送ってくれたの」

「相合傘で?」

警戒心MAXの凪渡くんの頭をペシっと軽く叩く。




「こら。流石の私でも嫉妬しているのが分かるくらい、警戒しない」




「莉帆ちゃんはばかだね〜。わざと嫉妬心を隠してないんだよ。これは相手への威嚇(いかく)でもあるんだから」




「仁くんに視線で変な圧力をかけたってこと?」




「そう。正解。よく分かったね。それと、莉帆ちゃんにも威嚇しているの」




「私にも?」




「そう、他の男と仲良さそうにしたら俺が嫉妬するよって。悔しくて、莉帆ちゃんにかじりついちゃうかも。がおーって」




凪渡くんがわざとらしく手で猫の威嚇の真似をしている。

「全然可愛くないんだけど」

「可愛くなくて良いよ。可愛いのは莉帆ちゃんだけで十分」

「……嘘くさい」

「わー、相変わらず釣れないねー。でも、良いよ。そっちの方がなんか莉帆ちゃんらしい」

そう言いながら、凪渡くんが私にいつものお弁当箱を渡す。

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