凪渡くん、このままじゃ溶けてしまいます【完全版】
公園の近くまで着いた私は、仁くんにお礼を言った。

「ここまでで良いの?」

「うん。ここからは走るし、大丈夫!」

「そう? 白木がそれで良いなら、俺はいいけど……」

雨の中でそんな会話をしていると、遠くからパシャパシャと足音が聞こえる。

雨の中の足音は水が跳ねたような音だった。




「莉帆ちゃん!」




「凪渡くん! ごめん、遅くなちゃった」




私が凪渡くんと話していると、仁くんはちらっとこちらに視線を向けて「じゃあ、俺はもう行くわ」と軽く手を振った。

「うん! ありがと、仁くん!」

「じゃ、またバイトで」

仁くんと別れると、凪渡くんからとてつもないほどの圧のこもった視線が注がれていることに気づいた。
< 49 / 134 >

この作品をシェア

pagetop