凪渡くん、このままじゃ溶けてしまいます【完全版】
「あ、えっと……」

「もし興味があるなら、仕事内容も中で説明しますよ」

女性の優しい声色に少し気が(ゆる)んでしまう。

女性は黒い服に白いエプロンをつけていて、見た目からでも凪渡くんの家のお手伝いの方だと分かる。

女性は私が戸惑っていることに気づいたのか、「聞くだけでも大丈夫ですから」と言って門を開けてくれた。

私は流されるままに、つい門を(また)いでしまう。


その日、私は初めて凪渡くんの家の敷地(しきち)に足を踏み入れた。


家の中はまさに豪邸としか言いようがなくて、玄関にはシャンデリアまでかかっていた。

通された部屋で私に女性はお茶を出してくれる。

キッチンが見える、使用人の方が使っている休憩室のような場所だった。
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