バッドエンド後の死に戻り転生悪役令嬢は、ヤンデレ皇帝の狂愛を受ける 私が救済の歌姫なんて、聞いてませんわ!
1・回帰前に愛していた、最悪な人
「オレがあんたを好きになることはない」

 ――私は夫の最愛ではない。
 それは、結婚をする前から承知していたことだ。
 今さら、とやかく言うつもりなどなかった。

「あなたがあの子を好きでも構いませんわ!」

 心など、手に入らなくたって構わない。
 身体さえ私の物になれば、王家の血を引く子を成せる。
 どれほど夫婦仲が冷え切っていようが、男児さえ生まれてくれたら、こちらのものだ。

「この結婚は、王命で定められたもの!」

 ――国母になるのは、この私。
 ベリアージュ公爵家のルリミカだ。
 彼の許嫁になった時点で、ホトロス王国の王太子妃になると定められているのだから……。

「いずれ王妃になれないのであれば、私に生きている意味などなくってよ……!」

 声高らかに宣言した直後、護身用に忍ばせていたナイフを首元に当てる。
 まさか公爵令嬢が色恋沙汰の末に自害を試みるなど、思っても見なかったのだろう。
 ジェラルドはその発言を聞いて、露骨に狼狽え始めた。
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