バッドエンド後の死に戻り転生悪役令嬢は、ヤンデレ皇帝の狂愛を受ける 私が救済の歌姫なんて、聞いてませんわ!
「待て!」

 いくら私が彼と妹を引き裂こうと目論む悪女だとしても、目の前で死なれては面倒なことになると焦ったのかもしれない。
 殿下は思い留まるように促すと、こちらの言い分を呑むと約束してくれた。

「わかった。結婚はしてやる。だが……。オレの心は、妹のもんだ。それを、忘れんじゃねぇぞ」
「はい」

 私は思い通りになったと、内心ほくそ笑む。

 たとえジェラルドが苦虫を噛み潰したような表情をしていようが、言質さえ取れたらこちらのものだ。

 本当に妹を愛していて、幸せになりたいと願うのなら――きっちりと私との許嫁を解消してから、想いを伝えるべきだった。

 なのに――。

 その手間すらも惜み、欲望のままにふらふらとほかの女性に目移りなんかするから、面倒なことになるのだ。

 ――婚約者を蔑ろにして、許嫁の妹に入れ込んだ王太子……。

 そんな不名誉な噂を流された殿下が王として君臨したところで、国民達は彼を慕うのかしら?

 所詮は浮気男。
 よほど有能でない限り、共感など得られるはずがなかった。
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