バッドエンド後の死に戻り転生悪役令嬢は、ヤンデレ皇帝の狂愛を受ける 私が救済の歌姫なんて、聞いてませんわ!
5・10年後の婚約破棄
 それからリナリアはジェラルドなど脇目も振らずに、「救済の歌姫」と呼ばれる存在となるべく大きなステージに立ち続けた。
 彼女は歌のレベルこそ低く音程をよく外すが、天使のようなソプラノボイスと得意なダンスを武器に、あっという間に知名度を上げていく。

「これからは、救済の歌姫って呼んでほしいな!」
「うおぉおおお!」

 熱狂的なファンを獲得したおかげで、10年も経てば彼女の望むとおりになった。

 ――さすがは、私の妹ですわ……。

 己の欲望を叶えるために努力しやり切る態度には感心したが、回帰する前に好きだった人を奪われた憎しみや悲しみまでをチャラにできるかと言われれば、それはまた別の話だ。

「リナリア! 今日も素晴らしい歌声だった!」
「ジェラルド様! ありがとー!」

 私と殿下の婚約破棄は、いまだに成立していない。
 国王が妃教育をほっぽり出して歌姫として成り上がることを優先した妹に、不信感をいだいていたからだ。

 しかし、公衆の面前で抱き合う息子と歌姫の姿を見たら、そうも言ってはいられなかったのだろう。
 陛下はようやく、決断を下した。
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