バッドエンド後の死に戻り転生悪役令嬢は、ヤンデレ皇帝の狂愛を受ける 私が救済の歌姫なんて、聞いてませんわ!
「いくら妻の悲願と言えども、軽々しく婚約を受け入れるべきではなかった……」

 父親は、ようやく肩の荷が降りるとほっとした様子を見せる。

「婚約破棄が成立したのは、父様のご尽力があってこそですわ。本当に、ありがとうございました」

 ――修道院の騒ぎから10年も経てば、随分と年を取ってしまったなぁと感じるのは無理もない。

 気づけば日本で言うところの成人を迎え、死に戻った年齢――22歳になっていた。
 表舞台で大活躍するリナリアとは異なり、私は年に一度ダグラスと一緒に小劇場で歌声を響かせては、母親に「妃教育を受けなさい」と怒鳴りつけられても完全スルーを貫き通し続けた。

 その甲斐あって、ジェラルドはようやく我が公爵家に着ても私との関係修復は無理だと悟ったようだ。
 私へ会いに来る時間を妹との交流に使ったおかげで、近年は随分と心穏やかに過ごせていた。
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