バッドエンド後の死に戻り転生悪役令嬢は、ヤンデレ皇帝の狂愛を受ける 私が救済の歌姫なんて、聞いてませんわ!
「ルリミカ・ベリアージュを捕らえよ! あんたには、罰を与える!」

 壁に控えていた騎士団員達が一斉に、こちらへ向かって走り出す。
 私を拘束するためには、触れる必要があるからだ。

「全員、止まれ! 団長命令だ!」

 ダグラスの怒声によって半数程度は動きを止めたが、団長と王太子ならば後者のほうが地位は高い。
 結局残りの半分が言うことを聞かず、彼らは己を捕らえるために手を伸ばしてくる。

 ――10年かけて、ようやく婚約破棄を成立させたんだよ!?
 こんなところで、回帰する前とは異なるバッドエンドを迎えたくなどない……!

「ルリミカ! やめろ!」

 今の私にできることは、1つしかない。
 ダグラスの静止を振り切って大きく息を吸い込み、怒りや悲しみをいだいたまま歌を奏でた。

「うわぁあ……!」
「い、痛い……っ!」

 祭司からダグラスが奪い取り、私の胸元に輝く救済の歌姫発見器が、眩い光を放つ。

 夜会の会場は、突如地獄絵図と化した。
 この場にいる誰もが頭や耳を抑え、蹲る。
 私の歌が彼らに悪影響を与えているのは、明らかだった。

 ――このままだと、関係のない人達まで苦しめてしまう……。
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