バッドエンド後の死に戻り転生悪役令嬢は、ヤンデレ皇帝の狂愛を受ける 私が救済の歌姫なんて、聞いてませんわ!
「ルリミカを愛しているからこそ、ここで止めるんだ。この先は、君と本当の意味で心を通じ合わせるまで取っておく」

 ――口づけをする前とあとでは、まるで別人になったかのようだ。

 恥ずかしいやらなんやらで頬を赤らめていると、おでこに優しい口づけが落とされて我に返る。

「案外、紳士でしたのね……」
「見直したか」
「少しだけ……」

 無理やり己の欲望のままに襲うような男なら、嫌いになれたのに。
 私は時折垣間見える優しさに惚れ込んで推そうと思ったのを思い出し、とろんと熱を帯びた瞳を細める。

「お休み、リナリア」
「ダグラス……。どうして、あなた、は……」

 彼は優しく目元を緩めながら、頭部を擦る。
 私はその感覚に眠気を誘われ、微睡む意識の中で口にしてはいけない疑問を投げかけようと試みる。
 しかし、その言葉は最後まで声にならず――私は深い眠りに誘われた。
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