バッドエンド後の死に戻り転生悪役令嬢は、ヤンデレ皇帝の狂愛を受ける 私が救済の歌姫なんて、聞いてませんわ!
 ――ねぇ、ダグラス。
 どうしてあなたは、私を殺したの?

 過ちを犯した救済の歌姫を救うためって、本当?

『あいつと結婚する前に、俺が君を愛してやるから……』

 回帰する前、彼が口にした願い通りになったのは、なぜなのだろう。
 それに引っかかりを感じているせいか。
 前に進むのを、拒んでいる。

 私が一度目とはまったく異なる行動をしたから?
 それとも、あの人も……。
 自分と同じように、記憶を保持したまま人生をやり直したの?

 白黒はっきりつけたいような、つけたくないような。
 そんなもやもやとした気持ちをいだいたまま、私は深い眠りから目覚める。

 ――ジェラルドとの婚約破棄が成立した以上、元婚約者と夫婦になる未来は絶たれた。

 ここから先は、今までとは異なる。
 原作知識も、回帰する前の記憶も当てにならない。
 進むべき正しい道が、不明瞭な状態だ。

 失敗したら、最悪の場合は命を落とす。
 そんな極限状態の中で生きなければならないと思ったら、一歩を踏み出すのすらも怖くなってしまう。
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