バッドエンド後の死に戻り転生悪役令嬢は、ヤンデレ皇帝の狂愛を受ける 私が救済の歌姫なんて、聞いてませんわ!
「せっかくですので、このまま会いに行ったらどうでしょうか。彼はお嬢様の目覚めを、心待ちにしているはずですよ!」

 彼女は優しく微笑み、私の手を引いて部屋の外へ連れ出した。

 ――あんな出来事があったあとだ。
 合わせる顔なんてないと、必死に抵抗を続けたのだが……。

「ラ、ラルラ!?」

 侍女によって廊下へ引き摺り出されるように躍り出た結果、壁に背を預けて感傷に耽るダグラスと鉢合わせる羽目になった。

「で、出待ちとは……。いい度胸ですわね……?」

 ここは悪役令嬢らしく、赤毛を靡かせて堂々と言う場面だ。
 しかし、恥ずかしさが勝ってしまい、胸を張って挙動不審な様子で言葉を発するのが精一杯だった。

「ルリミカ」

 彼は侍女にせっつかれて現れた私に驚くでもなく、「会えて嬉しい」と態度で表すように屈託のない笑みを浮かべる。

 その姿に見惚れてしまったのは、彼が前世の推しだからなのだろうか?
 それとも、肌を許して心の距離が近づいたから?
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