バッドエンド後の死に戻り転生悪役令嬢は、ヤンデレ皇帝の狂愛を受ける 私が救済の歌姫なんて、聞いてませんわ!
 私にできることがあるとすれば、どうにか考えを改めてくれないだろうかと願いを込めて名前を呼ぶくらいしかできなかった。

「ダグラス……」
「君が救済の歌姫だと帝国民達に知らしめておかなければ、その名を騙る不届き者が現れるかもしれない」

 彼の懸念は、尤もだった。
 救済の歌姫であると騙れば、王族と婚姻する権利を簡単に手に入れられる。
 実際に妹は私利私欲を満たすために嘘をつき、ジェラルドを私から奪い取ったのだ。

 ――最悪の場合は汚名を着せられ、バッドエンドを迎えてしまう。

 危機感をいだいたが彼が、帝国民に広く私の存在を知らしめておかなければと焦る気持ちは、痛いほどによく分かった。

「1回だけ、ですわよ」
「ああ。ありがとう」

 私は胸元で両手を組み、渋々彼の提案を受け入れた。
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